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BMWプロトタイプボクサーカスタム第二弾公開。新型エンジン「ビッグボクサー」搭載車は2020年発表へ

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BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_image

2019年4月11日、アメリカ・テキサス州オースチンで開催されたカスタムショー「Handbuilt Show」で、BMW Motorradのプロトタイプボクサーエンジンを使用したカスタムバイク「The Revival Birdcage(ザ・リバイバル・バードケージ)」が発表された。

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市販前のプロトタイプエンジンをカスタムビルダーに渡してカスタムバイクを製作するという前代未聞のプロジェクト。その第一弾は、日本のカスタムビルダー「CUSTOM WORKS ZON(カスタム・ワークス・ゾン)」が製作し、2018年のヨコハマ・ホッドロッド・カスタムショーで発表された「Departed」だった。

BMW_Custom Works Zon_R18 Departed
2018年に滋賀県のCUSTOM WORKS ZONが製作した「Departed」。

今回発表された「The Revival Birdcage」はその第二弾で、車両を製作したのは、Handbuilt Showのオーガナイザーでもあるテキサスのカスタムビルダー「Revival Cycles(リバイバル・サイクルズ)」だ。これまでDUCATIやBMWなど様々な車両でカスタムビルドを行ってきた彼らは、メタルワークに長けたビルダーとして知られている。

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特殊なフロントサスペンションはカーボンファイバーを用いて製作。大きなエンジンに組み合わされる駆動系はもちろんシャフトドライブ。

「The Revival Birdcage」は、Birdcage(=鳥かご)という名の通りメインフレームは数多くのパイプを組み合わせて構成されている。クロモリなど一般的なパイプフレームからするとかなり小径のパイプを使用しているが、じつはパイプ材質はチタン。これまでオリジナルパイプフレームでの数多くの車両製作を行ってきたRevival Cyclesだが、チタンパイプでフレームを製作するのは今回が初めての試みだったという。

BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Front&Rear View

車体のデザインコンセプトについては、1920年代から30年代前半にかけてBMWが製作し、レーシングライダーのErnst Henneが走らせたスピードチャレンジ用のマシンをイメージしたとビルダーのAlan Stenbergは語っている。

1924 BMW R37
ドイツのBMWミュージアムに展示されている1924年式のR37改はErnst Henneが走らせたもの。この時代のBMWは数々のスピードチャレンジ用マシンを製作、これもその1台。(2017年撮影)
BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_birdview
小径チタンパイプを緻密に組み合わせたパイプフレーム。特徴的なドロップハンドルは1920年代のスピードチャレンジマシンをイメージ。
BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Rear section
ステアリングヘッドからリア・ファイナルドライブまで一直線にパイプが伸びるフレーム。エンジンやドライブトレインなど車体を構成するメカニズムがどの角度からでも見えるようにデザインしたのだという。

その佇まいも衝撃的な「The Revival Birdcage」だが、今回のカスタムマシンの発表にあたってもうひとつ大きなサプライズがあった。というのも、BMWはこのプロトタイプの新型ボクサーエンジン「BMW Big Boxer(BMWビッグボクサー)」を2019年中盤までに発展させ、2020年中にはクルーザーセグメントの量産モデルとして発表すると明言したのだ。今回、大排気量クルーザーの主要市場であるアメリカでこうした発表を行ったのは、BMWなりの戦略ととらえて良いだろう。

BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Engine1
BMWの現行ボクサーエンジンは、排気量1,250cc・水冷ボクサーと、R nineT系に搭載する旧世代の排気量1,200cc・空油冷ボクサーの2タイプ。この新型エンジンをBMWは「BMW Big Boxer」と呼ぶ。

CUSTOM WORKS ZONが車両を製作した際にも、排気量や最大出力などエンジンの仕様について一切明らかにならなかったエンジン。見た目で判断できるのは「空冷であること」「OHVであること」そして「これまでのどのボクサーエンジンよりも大排気量であること」くらいだ。ただ、ZONが製作した車両にはシートカウルに「R18」のレタリングが入っていたこともあり、「排気量は1,800ccほどではないか」というのが巷での予想だ。

残念ながらその点については今回も明らかになっていないが、現行ボクサーエンジンよりも確実に大きなシリンダーを見てもその見立ては妥当だと言えるし、これまでプレスリリース上でも「プロトタイプ」としか呼んでいなかったエンジンを今回初めて「BMW Big Boxer」と呼んでいることからも、この新型エンジンがBMW史上最大排気量のボクサーエンジンとなるのは間違いなさそうだ。

BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Engine2
各部にチタンを多用した「The Revival Birdcage」。エキゾーストシステムも見る限りフルチタンだ。ティアドロップ型のヘッドカバーは往時のスピードチャレンジマシンへのオマージュ。
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左右のシリンダーがオフセットするボクサーエンジンならではの眺め。ZONが製作したマシンではDellortoのキャブレターを使用していたが、現車はフューエルインジェクションとしている。
BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Shift Linkage
エンジン上部、フレームの右サイドにはシフトレバーをレイアウト。レバーの根元を辿ると、カーボンファイバー製のシャフトとシート下のリンケージを介してトランスミッションへと繋がっているのがわかる。左側ステップのペダルはリアブレーキ用。

まだ世に出ていないプロトタイプのボクサーエンジンを使用した前代未聞のカスタムプロジェクト。このプロジェクトに続きがあるのかは不明だが、次にこのエンジンを搭載する車両が登場する場合、それが新型モデルのプロトタイプである可能性はかなり高いかもしれない。

BMW_Revival Cycles_The Revival Birdcage_Builder profile
約5ヶ月間を費やして製作された「The Revival Birdcage」。写真左がRevival Cyclesのボス、Alan Stenberg。

photo : BMW Motorrad
text : Ryo Tsuchiyama

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