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週末名画座 第4回 特別編『来るべきストレンジャー・シングス3の公開に併せて、復習したい名画』

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金曜日、その週を思い返すのにピッタリな映画を提案する、『週末名画座』。仕事終わりの深夜、うとうとしはじめた頃が上映時間です。

今回は、第4回にしてちょっと番外編。そう、来るべきnetflixオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン3公開への英気を養い、準備を万全に整えるための考察と、併せて観ておきたい名画2本をお送りしたいと思う。

まずは、ストレンジャー・シングスをすでに観た人も、観ていない人も、最新シーズン(7月4日公開)の予告編を観てほしい。

…いや、最高でしかない。最高じゃん。ずっと最新作を待ち望んでいた人間は、少なくともこれらの(いろんなパターンがある)予告編を10回以上は再生したと思う。
このドラマは2016年に第1シーズンが公開されると共に瞬く間に人気を集め、2017年に第2シーズンがリリースされた netflix制作のドラマ。ストーリーはアメリカ・インディアナ州にあるホーキンスという架空の町で、少年が失踪。それと時期を同じくして、身元不明の子どもの目撃情報が寄せられる。 平和だったはずの町で次々に起こる不可解な事件をホーキンスに潜む秘密とともに暴いていく…というもの。

メインのキャストとなるのは、学校ではどちらかというとイケてない、無線通信とゲームに夢中の4人組。そこにメンバーの兄弟や姉妹、母親、警察署長、そして謎の子どもが加わる。(詳しいあらすじは、画像下のキャプションから飛んで、第一シーズンの予告編をご参照あれ。シーズン2ではまた新たなメンバーも。)

https://www.youtube.com/watch?v=6HkQ5ys3vEY

画面作り、音楽、キャラクター…このドラマの素晴らしいところを挙げればきりがないが、何より人に愛される理由は『既視感』なんじゃないかなあと考えている。1980年代を舞台にしたこのドラマは、その時代のカルチャーへのオマージュが本当にすさまじく、スピルバーグやジョン・カーペンター、スティーブン・キングなどの映画のエッセンスがちりばめられているのだ。例えば、誰もが一度は金曜ロードショーで観た『E.T.』っぽいシーンだったり、『エイリアン』的なクリーチャーだったり、『エクソシスト』のようなショッキングな動きだったり…。

つまり、このドラマは新しい物語を観ているはずなのに、世界中の誰もがなんか知っているシーンがある。けれど知っているシーンのようなのに、ストーリーは全く予想がつかない。つまりシーンごとに既視感が生まれる親しみやすさと、テンポよく進む予測不能な展開が魅力的だからなんじゃあないだろうか。そしてだからこそ、ぜひこれから初めて観る人にも、これからシーズン3の公開までにおさらいをする人も、これから挙げる映画をさらっと観ておいても、損はないんじゃないかな…と。地層のように積み重ねられた映像作品たちのなかで、一番上のレイヤーにいるであろう『ストレンジャー・シングス』のシリーズ。それがどれほどの厚みかが把握できれば、より面白味も増すはずだ。

さて、前置きが長くなってしまったけれど、そんな数あるオマージュされた映画の中でも、特に下地となっているのが(ファンならとっくに観ているかも)この『グーニーズ』(1985年製作/リチャード・ドナー監督)

監督は映画『オーメン』、『X-MEN』のプロデューサーを務めているリチャード・ドナーだが、原案はスティーヴン・スピルバーグ。正直、この映画を半分くらいトレースして作ったといっても過言ではないほど、『ストレンジャー・シングス』の原点とも言える描写が多くある。ただ、だからこそ先に見てしまうと似ている部分だったりを探してしまうと思うので、もしまだシリーズを一本も観ていない人であれば、シーズン1とシーズン2の間に観るのがおすすめ。シーズン1の答え合わせのような気持ちで鑑賞できつつ、シーズン2への伏線を張れるからだ。伏線とはどういうことか?それはこれ以上言えないけれど、この映画を観るとドラマの面白さと没入の仕方が5倍は上がるはず。そしてすでにシーズンを観終わった人にとっては、ある意味泣ける映画でもある。また、映画『E.T.』もこの映画とほぼ同じ立ち位置。ぶっちゃけこの2作品を観たら大体ストレンジャー・シングスを全部観たといっても、過言ではないかもしれない…。

そしてもう一つが『エイリアン』(1979年/リドリー・スコット監督)

「うえ~~めちゃめちゃ怖い!」と思わず声が出るような、ハラハラするシーンが多いのも『ストレンジャー・シングス』の怖くも面白いところ。不気味な現象や気味が悪いなにか(あくまでぼやかしておく)なんかも登場する。やはりこういったシーンでも既視感を感じる部分は多々あるのだが、この場合、親しみというよりむしろ怖さを引き立たせるのだ。なぜなら既視感があるあまりに、元となっている映画の不気味さがシーンに上乗せされ、さらに気味が悪くなっていく。例えば『シャイニング』や『エクソシスト』といった映画をオマージュしたシーンなんかが出てくると、ドラマの中ではそこまで描かれていないのに、元の映画の気味悪さが背後からゾクゾクと忍び寄ってくるようだ。そして、この『エイリアン』という映画もなかなか罪深い(と私は思っている)。だって、この映画さえなければ、ドラマに出てくる気味の悪い何かについて、ここまで恐怖を描かなかったかもしれないのだ。けれど『エイリアン』という映画のおかげで「歯が多くて顔が長くて体の大きな生物=人を襲う」という刷り込みがある。それを、このドラマはうまく利用しており、映像で表現されている3~5倍の恐怖を我々に提供する。ただ、エイリアンを知っているからこそ、気味が悪いクリーチャーにもある程度耐性があると言える。なので、この映画を観るおすすめタイミングは、ドラマの鑑賞前。これから起こるハラハラドキドキへの準備運動として、ぜひ。

https://www.youtube.com/watch?v=R623n8IJ5YA

…すっかり長くなってしまった、今回の特別編。何度も繰り返してしまうけれど、この『ストレンジャー・シングス』シリーズのおもしろさの一つは、やっぱり”既視感”。もちろんこんな記事は無視して観るのでも全然面白いけれど、大昔のロードショーで観たっきりの名画を引っ張り出して、もう一度観たいという気持ちにさせてくれるドラマなんだなあ、ということはどこか心に留めていてほしい。そして、それはこのドラマを筋立てしているザ・ダファーブラザーズと、キャスト、スタッフが全力でそれらの映画をリスペクトしているからこそ。

映画館に行かなくても、レンタルショップに行かなくても、映像をたくさん楽しめるようになった時代。それを台頭するnetflixがこういった作品をつくり、制作しているということは、なんだか嬉しいことだなあと勝手に思ってしまう。映画館にみんなが集結するわけではないけれど、世界中の人が最新シリーズを楽しみにこの週末を過ごしているのを想像すると、にやにやしてしまうのは私だけではないだろう。

■netflix:/https://www.netflix.com/jp/title/80057281

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