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CHANNEL ZERO 【いつまでも色あせないタイムレスな1枚とは?】

CHANNEL ZERO 【いつまでも色あせないタイムレスな1枚とは?】

LEE BENDER「Ultraglide in Black (The Dirtbombs)」

 このアルバムのジャムセッションを聴いていると、夢中になって自分がどこにいるのかわからなくなる。そんな感覚に陥ると思う。

 時代を先ゆく、これぞ”Future Primitives”。Mick Collins率いる、アメリカ中西部デトロイト出身のガレージ・ロック・ソウルバンドThe Dirtbombs。MC5でもなく、Motownのサウンドともちょっと違う。でも、このふたつを激しくブレンドするとこんな音が誕生するのかもしれない。アップビートな彼らの音楽はいつの時代もタイムレス。

 『Ultraglide in Black』は、Mick Collinsがセレクトした、超かっこいいブラック・ミュージックのカバーアルバム。ほかのアルバムもいいんだけど、俺は特にこのアルバムが好き。それは、カラッカラに乾いたアリゾナ州フェニックスのゲットーにいた頃、スケートボードするための空のプールを探していたときに、四六時中聴いていたから。

 これを聴くといつもその頃を思い出す。パワー炸裂の極上のアルバム、ぜひ聴いてほしい。最高のミシガンダーによる秀逸の音楽。Rip ride.

JOSIE PEREZ – RAMONDETTA「What’s Going On (Marvin Gaye)」

 今回私が紹介するアルバムは、Marvin Gayeの『What’s Going On』。まず、Marvin Gayeの人物像とこのアルバムの背景を説明するね。

 Marvin Gayは”ソウル・ミュージックのNo.1供給者”と呼ばれていて、1960年代のMotownのサウンドを確立した人物。『What’s Going On』は1970年6月1日にレコーディングされているんだけど、このアルバムを作るきっかけとなったのが、Four TopsのメンバーだったRenald “Obie” Bensonがバークレーの反戦運動で警察による暴力を目の当たりにした体験。

 このアルバムは、収録曲の”Mercy Mercy Me (The Ecology)”と”Inner City Blues”も大ヒットし、Marvin Gayeの最初のミリオンセラーになったの。だから聴いたことがある人も多いと思う。私は80年代初頭から90年代にかけて世界中を旅して、さまざまな国で暮らしてきたんだけど、私の良い時期も悪い時期も、晴れの日も嵐の日も、どんなときでもこのアルバムを聞いて過ごしてきたから、まるで私の人生の一部のような大切な存在。

 このアルバムを通して歌われている失恋、政治、社会問題というテーマは、多かれ少なかれ私を含む誰もが目撃したり、体験したりしてきたことでしょう。Marvin Gayeが大好きな理由は、こういった共感できるテーマを歌い続けてくれたから。アルバムに収録されている全曲が本当に素晴らしいの。苦悩も勝利もせつなさも、すべて詰まっているこのアルバムはいつの時代もタイムレス、というよりプライスレス!

MAX SCHAAF「The Seeds (The Seeds)」

 The Seedsは60’s初期のガレージサイケロックで、ヒット曲は”Can’t Seem to Make You Mine”と”Pushin’ Too Hard”。付き合っている彼女や彼氏からpush too hardされることって誰でもあるだろ? いや、別にセクシュアルな意味でのpushじゃないよ。精神的、感情的に押されるっていう意味で。こういうクラシックなアメリカンガレージロックが俺は好き。シンプルなんだけどトリッピーな要素がレイヤーになっているgood music。

 ヴォーカルのRichie Marsは、最初は本名でやっていたんだけど、じきにSky Saxonって名前に変えたんだ。バンド自体もメンバーチャンジを繰り返したから、時代によってメンバーが違う。俺はそこまでThe Seedsに詳しいわけではないけれど、このバンドのサウンドは本当にいいと思う。朝ごはんに卵料理を作って、家の中でくるくる踊って、彼女を笑わせてもいい。それともクサ吸って、封筒の中をいつまでもじっと見つめてもいい……。どっちも価値があることだと思うよ。The Seedsを楽しんで!

JASIN PHARES「Locust Abortion Technician (Butthole Surfers)」

 俺が大好きなバンドButthole Surfersのフロントマン、Gibby Haynesは天才中の天才だと思う。Butthole Surfersはテキサスで1970年代に結成されて、Jello Biafranのレーベル「Alternative Tenticles」と1981年に契約したんだ。奴らのライブはコンサートというよりか、まるでフリークショーの巡業みたいだったよ。たとえば、裸のダンサーたちがステージで踊っていたし、スクリーンにはなんと性転換手術シーンの映像を流していたんだ……超イカれてる!

 サウンドはパンク、メタル、アートロックのミクスチャーで、とにかく全体的に超変なんだよ。まるで曲ごとに違うウサギの穴に入っていくような変なイメージ。

 Butthole Surfersはたくさんアルバムをリリースして、いくつかのレーベルと契約したけれど、俺にとってのベストアルバムはまさにこの『Locust Abortion Technician』。10代の頃にずっと聴いていたから、思い出がいっぱい詰まっているんだ。もしもこのバンドを知らなかったら聴いてみて! 超ウィアードでびっくりすると思う!!

SCOTTY STOPNIK「Vicious Circle (Zero Boys)」

コンクリートのジャングルを転げまわり 現代の文明の価値などない 地球を日々破壊している奴ら

目を覚ませ 現実を見ろ 熟した果物が木から落ちたら 奴らが残したものは取っていい

そのスーツとネクタイを捨てろ 失敗する悪夢なんてもう忘れろ

お前を傷つけた奴らに 決められた人生ではなく お前が選んだ人生を歩め

上昇した太陽もいずれは沈む そのスロットルを回して 最後まで自分の夢を追うのだ

TAMMI TIBETAN「The Dandy Warhols Come Down (The Dandy Warhols)」

 ヘルメットを上下に揺らしながらフリーウェイを疾走するライダーたちって、よくいるじゃない? 彼らを見て、一体どんな音楽を聴いているんだろう、って不思議に思ったことある? 私は『…The Dandy Warhols Come Down』を聴いているんじゃないかなって思う。ヘッドフォンから爆音で鳴らしながらね。

 実はそれは私のことなの。私が普段ローテーションで聴くハードロックとはちょっと違うジャンルだけれど、The Dandy Warholsは90年代の最高のシューゲーザーバンド。全曲を通して燃えるような音が永遠と続くこのアルバムは、特に私のお気に入り。何マイルも何マイルも続く道が、まるではるかな地平線の向こうに溶けていくように見えることがあるでしょう? そんなロードトリップには、この幻覚的な音がぴったり。

 The Dandy Warholsを聴くと、メローなキーボードのリフとファズギターに酔いしれて意識もうろうになりながら、道が続く限りひたすら走り続けたくなるはずよ。あなたも彼らの催眠術のようなサウンドに身も心も委ねて、ロードトリップに出ることをおすすめするわ。

KENTARO YAMADA「Shura no Hana (梶芽衣子)」

 女優、そして歌手として活躍する梶芽衣子の、数ある名曲の中から「修羅の花」をレコメンド。

 1973年に発表された同曲が、時を経て再び脚光を浴びたきっかけは、2003年に発表されたクエンティン・タランティーノの映画作品『キル・ビル』にて印象的な使われ方をしたことだ。そもそも、『キル・ビル』は「修羅の花」を主題歌に採用した日本映画『修羅雪姫』をオマージュした作品であり、監督のタランティーノは梶芽衣子の大ファンだと公言している。

 はっきりいってザ・バイカーというような人が聞きそうな曲ではないが、殺気と哀愁を全開に漂わせる同曲は、不思議と乾いたエキゾーストノートにマッチし、日本で旧車を走らせるにはぴったりの曲だと自負している。外国人をも魅了するジャパニーズクールビューティーが歌うこの曲を、日本人ならずとも世界中の方々におすすめさせていただく。世界中にいい音楽はたくさんあるけれど、ここ日本にも半端ない音楽があるということを再認識してほしい。Check it out! You’ll like it!


媒体:ROLLER magazine vol.17